直径80センチの大餅を持ち、観音堂に続く石段を上る地元住民=雲南市三刀屋町多久和、寿福寺
直径80センチの大餅を持ち、観音堂に続く石段を上る地元住民=雲南市三刀屋町多久和、寿福寺

 雲南市三刀屋町多久和の寿福寺(原真栄住職)で2日、平安時代から伝わるとされる「堂餅行事」があった。地元住民が直径約80センチの堂餅(大餅)2個を観音堂に奉納し、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願った。

 奈良・東大寺の伝統行事「修二会(しゅにえ)」の流れをくむとされ、2月1日に行われてきた。近年は2月の第1日曜日に開催している。

 ほら貝を吹く山伏を先頭に、「上」「下」とそれぞれ墨で書かれた重さ約15キロの大餅を担いで本堂を出発。66段の石段を上って、観音堂へ運び込んだ。

 観音堂では読経が響く中、地元住民と参拝者が車座になり、518個の玉が付いた大数珠を時計回りに回し、地域の平穏や家内安全を祈願した。

 行事の元締を務めた須山茂さん(73)は「にぎやかに執り行えて良かった。末永く続けていきたい」と話した。大餅は行事が終わると切り分けられ、地元住民に厄よけとして配られた。(福間崇広)