「水と油をまぜる方法」と題したホンダの公式ホームページ画面
「水と油をまぜる方法」と題したホンダの公式ホームページ画面

 「水と油」という。水と油が互いに溶け合わないように、性質が合わず、しっくり調和しないことを表す例え。経営統合交渉が開始からわずか1カ月余りで打ち切られるホンダと日産自動車がそうだろう。

 技術開発を重視し職人肌のホンダと、官僚気質が抜けないとされる日産。歴史的な再編として注目を集める半面、社風の違いから業界内では「水が合わない」と当初から協議難航を予想する声も多かった。日産のリストラ策の甘さにいら立つホンダに、対等に近い立場での統合にこだわる日産。互いのメンツをぶつけ合うだけでは展望は開けまい。

 同様に「水と油」に例えられるのが、トランプ米大統領と石破茂首相だ。パレスチナ自治区ガザを米国が長期的に「所有する」と主張するなど“俺様”ぶりを発揮するトランプ氏に、自分の方針や政策を語る際は前提条件をはっきりさせ、結論を急がず相手にじっくり語りかける石破氏。水が合いそうにないのは容易に想像できる。初の首脳会談はどう進むのか。

 溶け合わない水と油だが、界面活性剤や乳化剤など仲介役を入れることで混ざった状態を保つことができる。代表例がマヨネーズ。卵黄が仲介役を果たし、食卓を彩る。

 この卵黄効果が「水と油をまぜる方法」としてホンダのホームページの子ども向け自由研究コーナーに掲載されているのを見つけた。経営統合の仲介役は見つからなかったのか。(健)