一畑電車(出雲市平田町)の2020年度の輸送人員は開業以来、最も少ない100万2158人となった。新型コロナウイルスの感染拡大による観光客らの減少が響いた。
5日に松江市内であった島根県と松江、出雲両市でつくる一畑電車沿線地域対策協議会(会長・藤井洋一県地域振興部長)の総会で報告した。輸送人員の内訳は観光客ら定期以外の乗客が50・9%減の31万1174人、通勤定期者が8・5%減の26万9048人、通学定期者が19・0%減の42万1936人だった。
総収入は37・9%減の2億9200万円。役員報酬のカットなどで経費圧縮に努めたものの、経常損益は4億500万円の赤字となり、沿線自治体からコロナ禍による業績悪化の対策補助金などを計上した後の純損益は650万円の赤字に転落した。前年度は110万円の黒字だった。
沿対協は21年度、7月豪雨に伴う線路などの復旧対応費用や同社のイベント列車の運行助成を含む総額3億8500万円の財政支援を決めた。
(中村成美)