―安全運転で割引になる「テレマティクス自動車保険」が好評です。
ドライブレコーダーなどから走行データを分析し、事故解決迅速化といった利便性向上を図る商品です。急ブレーキや急発進の回数など運転状況を点数化して提供することで安全運転やエコドライブにつながり、点数に応じた保険料割引の形で還元しています。安全運転促進効果で、当社の従来の保険と比較して交通事故発生頻度が20%近く低減しました。

―保険を通じて蓄積したデータの活用も進められています。
デジタル技術で社会課題解決を目指す「CSV×DX」を全社で展開しており、貴重なビッグデータを保険契約者の利便性向上だけでなく、交通安全や都市計画、渋滞解消、防災・減災などの交通インフラやまちづくりに広く活用しています。

例えば、急ブレーキや急ハンドルなど危険な運転挙動の発生頻度が高い地点をまとめた交通安全マップや、走行中の上下振動の程度から道路の損傷箇所を検出して地図上に表示するシステムを開発・サービス化し、自治体や道路管理会社に提供しています。昨年の能登半島地震の被災地支援にも役立てられ、2022年度には島根県にデータを提供しました。埼玉県での道路陥没事故の発生で、インフラ老朽化の課題に関心が高まっています。修繕や新設道路の設計などの課題解決に大きく寄与できると考えています。


―就任3年目の展開は。
地域課題解決への取り組みをより強化し、地域の皆さまに「CSV×DX」の価値を届けきりたいと思います。包括連携協定の自治体や警察と共同でサイバー攻撃や外国人雇用労務などの新しいリスク、課題に対応するセミナーを多数開催しました。地域課題に沿ったセミナーを今後もテーマ設定など、さらに充実し展開していきます。全国で自然災害が多発する中、横浜国立大などと共同開発し無償公開しているリアルタイム被害予測ウェブサイト・アプリ「cmap」の活用、各種データを活用した大学との共同研究など産学連携も推進していきたいと考えています。

自己の成長は、お客さまのために、会社のために、更には地域社会の貢献にもつながります。 人はいくつになっても学び体感し、そして自らの思いを以った活動にチャレンジすることが大事だと思っています。 その結果が、島根県の更に魅力ある より良い地域への成長にもつながれば、これほど嬉しいことはないですね!!

荒川貴博=京都府城陽市出身(54歳)2023年4月、現職に就任。 1993年4月大東京火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損保)入社。 名古屋、金沢、広島、東京にてリテール営業を主に担当し、現在に至る。 趣味は温泉巡りで、温泉に浸かっているときが一番幸せな時間です。