森山一人(51)=大田市仁摩町出身=が野球を始めたのは小学2年の時だった。小学校の卒業文集に将来の夢はプロ野球選手と書いた。漠然とした憧れだった。中学を経て地元の邇摩高校へ進学。野球部では球威のある直球と切れのあるカーブを武器に、島根県内屈指の本格派右腕に成長した。長打力に100メートル11秒9の俊足、肩も強く走攻守の要となった。

#(上)女子野球とともに
#(下)町民が熱くなるプレーを

 邇摩は1990年秋の県大会を制し、中国大会は自身の本塁打もあって準決勝へ。優勝した広陵(広島)に敗れたが春の選抜大会出場権を得た。同校では25年ぶりの快挙だった。

 だが甲子園のマウンドは苦い思い出だ。選抜の開幕試合となった大野(福井)戦で...