島根県川本町三原地域の伝統行事「小笠原近重流三原田植えばやし」が6日、同町南佐木の三原八幡宮であった。早乙女の田植え歌に合わせ、はやし手が太鼓と舞を披露し、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願った。
2~85歳の地元住民ら約30人が参加した。三原まちづくりセンターから三原八幡宮までの約200メートルを、早乙女姿や浴衣、法被を着て練り歩いた。
境内に到着すると、早乙女が田の神を迎える「若君(さんばい)下ろし」や「苗取り」といった田植え歌を歌い、はやし手が太鼓をたたき、華やかに舞った。法被姿の子どもがかねを鳴らしながら歩いて盛り上げた。見物客約50人が拍手を送った。
三原田植えばやしは1585(天正13)年、同町を拠点に石東地域に勢力を誇った武家・石見小笠原氏が、三原地域に丸山城を築いたのを祝って始まったとされる。住民有志でつくる保存会(寺本勘吉会長)が1980年から、田植え後の泥落とし行事として毎年行っている。寺本会長(83)は「若い人の力で続けてもらいたい」と話した。(佐伯学)