短歌 寺井 淳選

小学校卒業の日を忘れ得ずあの日起こりし地下鉄サリン      益 田 〓(木ヘンに漆のツクリ)松 友香

 【評】小学校卒業のまさにその日に、人の世の暗い部分も見てしまったという記憶。社会の記憶を、自分の記憶として刻むのも、歌の大切な役割ですね。

誰もまだえすでぃじいず知らぬころ暑さ寒さは春夏秋冬      出 雲 井上都由子

 【評】下句は、暑さ寒さはきちんと季節の通りにめぐってきた、ということですね。SDGsの平仮名書きも、取って付けたような取り組みへの批判なのでしょう。

シルバーカー押す友杖の私とが...