朝の厨房(ちゅうぼう)で、土江徹(48)はどら焼きにバターと栗あんを挟む手を止めた。小さめになった一つをラップにくるんで端に置く。後で食べるためだ。

#(上)挑戦の原点に悔しさ
#(下)技術と志、次世代に「継承」 

栗バターどら焼きを仕上げる土江徹=出雲市斐川町直江、福泉堂

 「おいしいから。ダイエット中じゃなかったら毎日食べている」。そう笑った。規格外のどら焼きはおやつにし、愛着とともに味わう。

 土江が3代目として継いだ和菓子店・福泉堂(出雲市斐川町直江)は、...