「3連続の最高賞よりも、教えた子が職人として評価される方が、よっぽどうれしい」。土江徹(48)の瞳が最も輝いた瞬間だった。全国菓子大博覧会で認められた技を惜しみなく次世代に還元し、「和菓子屋の仕事は退屈じゃない」と今日も背中で語る。
#(上)挑戦の原点に悔しさ
#(中)判断軸は「自分が食べたいか」
背中を見せる
技術を極め、賞を重ねる中で「業界に育ててもらった」という実感が深まった。誰かを育てることが業界への恩返しだと考えるようになり8年前、家族経営から初めて従業員を迎え入れた。現在は20~30代の若手女性2人を見守る。

3年前に入った伊藤彩乃(24)は今年2月、...