鳥取県日南町がサクラクレパスと連携し、発売したオリジナルクレパスケース
鳥取県日南町がサクラクレパスと連携し、発売したオリジナルクレパスケース

 鳥取県日南町と総合文具メーカーのサクラクレパス(大阪市)が連携企画し、町産材で作った寄せ木細工のオリジナルクレパスケースが1日、発売された。今年創業100周年を迎えた同社の創業者、佐武林蔵氏(1886~1968年)が町出身という縁で実現。木のぬくもりと高級感がにじみ出る仕上がりとなった。
 ケース(縦17センチ、横26センチ)は廃校舎のサクラ、ブナ、ヒノキなど15樹種を使い、木材の再利用作品で知られる地元の白谷(しろいたに)工房(日南町福塚)が手掛けた限定品。サクラクレパスが専門家用に開発した85色88本の角型クレパスを収めた。
 上ぶたには6樹種で組み合わせた桜花をちりばめ、佐武氏の遺志を表現。町は手始めに20セット作り、1日に町立美術館(同町霞)で取り扱いを始めた。1セット3万円(税込み)。
 ふるさと納税の返礼品にも活用予定。サクラクレパスに提案した町農林課の荒金太郎主任は「日南町だけのオリジナル商品。森林の町をアピールしたい」と意気込む。
 佐武氏は日南町豊栄の生まれで、東京高等師範学校(現筑波大)卒業後に都内の中学校英語教師になり、自由画運動の普及に尽力。図画・美術振興のためには国産クレヨンが必要だと説き、教職を辞めて国産化に着手。新しい画材「クレパス」を誕生させ、35歳の若さで創業した。
 オリジナルケースの問い合わせは町農林課、電話0859(82)1114。
(山根行雄)