中国電力島根原発2号機(中央)、左は1号機、手前は3号機=松江市鹿島町片句
中国電力島根原発2号機(中央)、左は1号機、手前は3号機=松江市鹿島町片句

 中国電力島根原発2号機の30キロ圏内にある安来市の田中武夫市長は1日の市議会本会議で、中電から提案のあった出雲、雲南を含む原発の周辺3市が再稼働などの是非に関する意見を島根県に直接伝えられる会議の設置案を受け入れる考えを表明した。
 中電は8月、30キロ圏内の3市の求めに対し、再稼働の是非を判断できる「事前了解」の権限を持つ立地自治体並みの安全協定の締結は「困難」と回答。代替案として、県が原発に関して重要な判断をする場合、知事が3市の意見を直接聴取する会議を設ける案を示していた。
 本会議で田中市長は、立地自治体並みの協定締結を求める姿勢に変わりはないとする一方、提案内容を「一定の前進があった」と評価。3市が県に中電への「立ち入り調査」の実施を要請できる項目などが中電が県と交わす覚書に明文化される点も踏まえ「次善の対応として今回の提案を受け入れたい」と述べた。
 本会議後に開かれた全員協議会で、市議会側も賛成多数で提案の受け入れ方針を了承した。
 会議設置を巡っては、出雲市の飯塚俊之市長も「従前よりも3市の意見反映が期待できる」として参加するとともに、引き続き協定の改定を求めていく意向を既に市議会に伝達。雲南市は対応を検討中という。
(渡部豪)