大田市温泉津町温泉津の温泉街入り口に位置する案内所「ゆうゆう館」前に4日、温泉街名物の夜神楽公演の舞をデザインした自動販売機がお目見えした。伝統芸能のPRに一役買うと同時に、売上の一部を観光振興に充て、新型コロナウイルス禍で落ち込む市域の集客の回復を狙う。
市観光協会が自販機ベンダー業務の森田製菓(大田市長久町)や大手飲料メーカーと協定を結び設けた。
自販機正面に、温泉街の龍御前(たつのごぜん)神社を会場とした定期夜神楽公演で地元の石見神楽温泉津舞子連中が舞う「大蛇(おろち)」の写真と、観光情報サイトにつながるQRコードを載せた。現金を入れ商品ボタンを押すと神楽の口上や囃子(はやし)が流れる。
市内の他地域へ、デザインが異なる自販機の設置も計画中で、利用者の周遊を促す。飲み物に加え、土産品も今後購入できるようにする。売上の一部は協会と島根県観光連盟へ寄付金として還元される。
4日のお披露目会では早速、関係者が飲み物を購入した。市観光協会の谷本隆臣代表理事は「特色ある自販機を設置でき感謝したい。観光客に加え地元の方も利用し、地域振興の一助としてほしい」と述べた。
(錦織拓郎)