31日投開票の衆院選で山陰両県4小選挙区の立候補者の各陣営が、投票率の行方に気をもんでいる。遊説の手応えが今一つで、盛り上がりを欠くとし、2017年の前回選(島根60・64%、鳥取56・43%)と同じか、やや下がるとの見方が大勢だ。
山陰両県の衆院選の投票率は、政権交代が実現した09年の島根78・35%、鳥取75・30%から、その後は低下し、14年は両県とも50%台で過去最低を記録。今回は新型コロナウイルス対策や島根原発2号機(松江市)の再稼働の是非が争点に浮上するものの、各陣営とも街頭での有権者の反応は鈍いとの認識だ。
島根1区に出馬する立憲民主党前職の事務所では、過去の選挙でひっきりなしにかかった政策の内容を問う電話が、週に数件にとどまる。選対幹部は「関心の低さが目立つ」と話し、前回選並みの60%と予想する。島根2区と鳥取1区に新人候補を立てた共産党も大幅な上昇は見込めないとの認識で、党島根県委員会の幹部は「大事な選挙だというムードが、まだつくり出せていない」と述べた。
故竹下亘氏が保守地盤を維持してきた島根2区では、自民党新人候補の選対幹部が、前回選(島根2区61・98%)超えは難しいとの見方を示した上で「竹下氏の名前に親しんだ人の関心が低下していないか」と懸念。4回連続の自共対決となった鳥取1区の、自民党前職の選対幹部は、構図に変化のない点が有権者の興味をそいでいる可能性を指摘し「とにかく投票に行ってくれと訴えるしかない」と話す。
気象庁によると31日は両県とも「曇りのち晴れ」。両県選挙管理委員会によると、20~24日に期日前投票した人が選挙人名簿登録者数に占める割合は、島根が6・75%で前回選と比べて1・91ポイント増加し、鳥取は4・95%で0・69ポイント増えた。 (取材班)