一年納めの大相撲九州場所が初日を迎える。番付表を見てさみしく思う人も多いだろう。幕内優勝45回、84場所も務めた横綱の枠に「白鵬」(現間垣親方)のしこ名が消えた▼実は今場所も存在するはずだった。白鵬の引退が日本相撲協会の理事会で承認されたのは、九州場所の番付編成会議後の9月30日。編成時点では現役扱いとなり、慣例では番付表にしこ名が残るとみられていたが、実務上の手続きに時間的な余裕があったため記載されなかったという▼相撲ファンとしては「大横綱」の余韻にもう少し浸っていたい気もする。一方で名実ともに「一人横綱」となる照ノ富士をはじめ、残された関取は角界を盛り上げようと必死だろう▼その代表格が、白鵬のスカウトを受けてプロ入りした鳥取市出身の石浦。恩人でもある兄弟子の引退により、所属する宮城野部屋で初めて最高位の「部屋頭」になった。「皆を引っ張っていけたら。自分もお手本になる言動を心掛けようと思っている」と気持ちを新たにする▼島根県隠岐の島町出身の隠岐の海も大横綱の引退に期するところがあるだろう。190センチ、158キロの体格は同等で、共に1985年生まれの36歳。年齢的に「引退」の2文字も意識せざるを得ないが、老け込んでもらっては困る。九州は2017、18年に11勝を挙げた験の良い場所。三役復帰を目指し、山陰のファンを楽しませてほしい。(健)