言動で相手の人格や尊厳を繰り返し傷つける精神的な暴力「モラルハラスメント(モラハラ)」を学ぶ講座が18日、松江、大田両市内であった。女性問題専門カウンセラーの高山直子さんが、支援にはモラハラの構造を理解する必要性を説いた。
高山さんは、相手の支配と攻撃を目的に言動するモラハラの加害者は、相手に「自分が悪い」と思わせることを繰り返し、心理を操作していると指摘。相手の気持ちや場の空気を察することが美徳とされる日本は「加害者はやりやすく、被害者は置き去りにされやすい」と説明した。
被害者が最優先ですべきこととして、「自分を守る意識を高める必要がある」と強調。支援する側はモラハラをはじめハラスメント全般の構造を理解し、「被害者が『ノー』と言えないことを疑問に思わず、言えない事情をよく聴いてほしい」と呼び掛けた。
講座は、県女性相談センターとしまね女性センターが主催。あすてらす(大田市大田町)とテクノアークしまね(松江市北陵町)で、計60人が参加した。
(大迫由佳理)
これはモラハラです
・相手が会話をしたがるのに無視をする
・物事が思うように進まないと怒り出す
・人前でも相手の欠点を指摘する
・「自分がいないとお前は何もできない」と言う
・不機嫌な態度で威圧する