山陰両県の中学校、高校で女子生徒にスカートか、スラックスか、制服の選択を認める動きが出てきた。もともとスカートだったところ、より動きやすく、冬場に寒くないスラックスが選択肢に加わった格好。逆に男子生徒のスカート着用を認める例もある。実際にはスラックスを選ぶ女子は少数派だが「選択肢が広がった」と評判は上々だ。
 松江市立第四中学校(松江市西津田10丁目)は本年度からブレザーでスラックスの「Aタイプ」、スカートの「Bタイプ」の2種の制服を導入し、男女とも自由に選べる。現在は移行期間中で従来の制服である学ラン、セーラー服も着用可能。従来の制服を着た生徒が大半で、女子はBタイプが交じり、Aタイプもごく少数ある。男子でBタイプはいない。
 使い勝手を重視し、自由に選べるようにしようと前任の校長の発案で導入を進めた。保護者にも防寒面などで好意的に受け入れられているという。藤井克典教頭は「毎日着る制服は生活や健康に密着している。生徒にとって良い環境になるよう移行を進めたい」と説明。1年の山本楓花さん(13)は「その日の体調や気温に合わせて防寒対策できるのは良いと思う」と選択肢の拡大を歓迎する。
 松江農林高校(松江市乃木福富町)では、生徒の学校評価アンケートで「(女子も)ズボンがはきたい」との声が寄せられたことから導入を検討。昨年春の入学生から女子はスカート、スラックスを選べるよう改めた。倉吉東高校(倉吉市下田中町)では、生徒会長に就いた女子生徒が公約で要望のあったスラックスを導入し、今年2月から着用可能になった。色や形状が学校の規定に合えば市販品も着用可能なため、各家庭の経済的負担の軽減にもつながっているという。...