新型コロナウイルス禍を機に2020年暮れ、横浜市から松江市島根町野井にIターンし、漁師になった永見輝晃さん(33)が22年春、海産物の直売店を開く。野井地区の海の幸を発信する拠点にするとともに、地元住民の集いの場にもしたい考え。
建設業の営業マンだった20年春にコロナ禍に直面。妻や3人の幼子と過ごす時間が増え、密を避けながら人口集積地で生活し続けることに疑問を持った。
移住先を求めて西日本をワゴン車で旅する中、島根県を訪問。田植え後の水田や新緑の里山が広がる出雲平野の風景に心を打たれ、移り住む決心をした。県定住財団の紹介で昨冬、島根町の野井定置漁業に入社し、先輩漁師に教わりながら、定置網漁やイワガキの養殖に励んでいる。
直売店の計画は、横浜での営業経験を生かして試みた魚介類のインターネット販売がきっかけ。素材が良く予想以上に引き合いがあり、ニーズの大きさを実感した。中長期的に販売し、ブランドに育てるために「野井の魚介類ここにあり」というシンボルタワーが必要だと考えた。
県商工会連合会の島根起業支援事業を活用し、21年11月から住まいとする旧民宿の改修に着手し、4月の開業を予定する。将来的には飲食スペースも併設するなどして地元住民の集いの場にするつもりだ。
松江市内でも人口減少が顕著な島根半島部にある漁業集落・野井地区は人口113人。ここ十数年で半減し、高齢化も進む。久々の店舗の誕生は地域の明るい話題となっている。永見さんは「野井の魅力を伝えたい。まだまだやりたいことがある」と意気込む。
(多賀芳文)













