実業家の渋沢栄一(1840~1931年)を主人公としたNHKの大河ドラマ『青天を衝(つ)け』が昨年末に完結した。折しも岸田政権が「新しい資本主義」を標榜(ひょうぼう)したこととも重なり、興味深く視聴した。

 「日本の資本主義の父」とされる渋沢は、「資本主義」とは言わずに、一人一人が協力して事業を進める「合本(がっぽん)」を唱えて、道徳経済を重視していたからだ。...