一年が終わり、新しい年が始まるのは、地球が太陽の周りを一回りし、次の一回りに入るということ。1年たつと、私たちは太陽を1周する。あすが祝福の日の新成人は、産声を上げてから今までに20周したことになる▼その1周はとてつもない。太陽と地球の距離は1億5千万キロあり、それを半径とする円周(直径×円周率3・14)9億4千万キロが、1年かけて太陽を回る距離に当たる。この道のりを365(日)で割り、さらに24(時間)で割って出る時速は10万7千キロ。秒速なら30キロになる。松江からわずか1秒で出雲や米子に着く速さだ▼想像を絶する距離を猛スピードで、自転もしつつ進むのが、この地球である。昨年、宇宙空間に少しだけ飛び出した富豪らをうらやんだ人もいるだろうが、誰もが壮大な宇宙旅行を続けているわけだ▼しかし宇宙船・地球号の旅は孤独である。同じく太陽を回るいくつもの惑星と関わり合うことはない。夜空に輝く無数の星のどれかの周りには、生命を育む地球のような惑星があるかもしれないが、それこそ天文学的な距離の隔たりがあるために存在を確かめることすら難しい▼要は、この星で生きていくしかないのだ。それなのに核戦争の不安や貧富の差、環境汚染など課題は山積。映画では宇宙人の襲来に一つになる人類が、現実世界でまとまる方法は? 広大な空間を独り行く旅路を思う想像力に違いない。(輔)