島根原発2号機の再稼働について松江市議一人一人の考えを知りたいと思い、各議員のホームページ(HP)を調べてみることにした。一市民として、手っ取り早くインターネットで市議の名前を検索する方法を取った▼市議会は2月、再稼働の是非を問う住民投票条例案を多数決で否決した。昨年末には再稼働を求める陳情を採択し、反対陳情を採択しないことで再稼働容認の意思を示した。地域の在り方に関わる重大な判断であるだけに、それぞれ何らかの説明をしているだろうと予想した▼議員34人のうち、HPの類いを開いている人はほぼ半数で、再稼働に触れているのは1人だった。視察などを通じて容認に至った経緯と思いを丁寧につづっていた▼たった1人というのは少なすぎないか。2月中に新聞に折り込まれてわが家に届いた議員、議員団からの報告は2枚。1枚は採決結果を淡々と書き、議員自身がどう行動したかの記載はなかった。HPや紙の報告は手段の一つにすぎず、義務でもないが、市民への発信は現時点ではお寒い状況に見える▼周辺の市でも起きた住民投票請求の動きの中で、問題が複雑だとか市民は理解が浅いとかで住民投票には向かないとの声が議会側からあった。各地の市議は市民の代表として、未来を見据え、多様な声に耳を傾け、考え抜いて高度な判断に至るのだろう。その内容を自分の言葉で語ってほしい。(輔)