大田市大森町の町並みを走るぎんざんカート
大田市大森町の町並みを走るぎんざんカート

 世界遺産・石見銀山遺跡の中核地域にある大田市大森町を低速の電動車で巡る「ぎんざんカート」が、本格運行を始めた。市は約2年間の実証事業を通じ、観光客らの需要は高いと判断した。

 電動車は長さ4メートル、幅1・4メートルで、定員6人で時速20キロ以下で走る。窓ガラスはなく、雨天時はカバーをかける。大森代官所跡と龍源寺間歩(まぶ)間の約3キロに11停留所を設け、一部区間は乗り降り自由。毎週水曜を除く毎日、12~14往復して運賃は片道100~500円にした。

 大気汚染や混雑などの環境負荷を減らす目的で、環境省と国土交通省の補助を受けて試走した。無料期間(19年12月~21年3月)に1万6500人、有料期間(21年4月~12月)に9300人が利用した。

 大森町は自家用車などの乗り入れが規制され、龍源寺間歩までは緩やかな上り坂が続く。乗客へのアンケートでは1割が、カートがなければ観光を諦めていたと回答し、市が本格運行に踏み切った。22年度は、運行経費1250万円を予算化した。

 電動車は走行時に二酸化炭素を排出せず、小回りが利く「グリーンスローモビリティ」として山陰両県で事業化されつつある。市観光振興課の松村和典課長補佐は「持続可能な観光地となるために活躍してくれる」と期待した。
      (曽田元気)