任期満了に伴う江津市長選は29日の投開票に向けて終盤戦に入った。届け出順にいずれも無所属新人で、元国会議員秘書の中村中氏(43)=自民、公明推薦=と、元島根県議の山本誉氏(64)が舌戦を展開。中村氏が現市政の継承を訴えて組織戦を展開する一方、山本氏は知名度の高さを生かしつつ市政変革を主張し、しのぎを削る。
中村氏は地元選出国会議員や県議、引退する山下修市長(73)らとともに、支援企業の事務所前など1日6~12カ所で街頭演説し、江の川治水推進や財政健全化を訴える。インスタグラムで演説を生配信し浮動票獲得に力を入れる。
26日は市内全域を回り「市が活用する国の補助金は、全国の市町村との競争で勝ち取った。(自身の)秘書経験が生きるはずだ」と強調。黒川聡後援会長(78)は「若年層の関心の高まりに手応えを感じる」と話した。
山本氏は支援する一部の地元経済人らが同行し、1日6~8カ所でマイクを握り、タクシー業界と連携した地域交通網の強化や小中学生の医療費無償化などの政策実現を呼びかける。終盤は人口の多い市中心部を重点的に回る考えだ。
25、26の両日は個人演説会を開き「専門家や民間人が入った政策研究部署を新設し、意欲のある若い人が活躍できる場を作りたい」と訴えた。永島孝選対委員長(74)は「訴えは確実に伝わってきている」と述べる。
市選挙管理委員会によると、期日前投票は25日時点で投票率9・89%と、前回選の同時期(6・26%)より上がった。両陣営とも投票率は過去最低だった前回(68・49%)を上回る70%超とみており、接戦を予想する。
(村上栄太郎、宮廻裕樹)