新型コロナウイルス禍で気軽に旅行に行けず、つながりが持ちにくくなった海外へ、語学を生かして浜田市の伝統工芸の魅力を発信しようと、島根県立大浜田キャンパス(浜田市野原町)の学生が10日、地元の職人を訪ねて動画撮影を始めた。7月中旬をめどにユーチューブに英、中、韓3カ国語の字幕付き動画を投稿し、交流サイト(SNS)でも発信する。
学生は田中典枝助教(英語教育学)の「教養ラボ1」を履修する2年生9人。石見神楽面を作る柿田勝郎面工房(浜田市熱田町)、神楽衣裳制作の佐渡村衣裳店(同市三隅町岡見)、石州瓦製造の亀谷窯業(同市長沢町)で職人のインタビューなどを撮影し、翻訳して発信する。
10日は柿田勝郎面工房の柿田勝郎さん(80)らを訪ね、「面作りを始めた理由は」などとインタビュー。長男兼志さん(52)からは面の特徴として軽い石州和紙を素材とし、激しい舞に適していることなどの説明を受け、工程も撮影した。
地域政策学部2年生の三島毅輔さん(19)は「面に舞い手に対しての気遣いがあることを知った。島根の魅力を伝えられる動画にしたい」と話した。柿田さんは「神楽産業にとっても、地元の学生が興味を持って広めてくれることはうれしい」と期待した。
(青山和佳乃)