知人から聞いた話。「小学校の同級生が71歳で亡くなったが、死因は『老衰』だった。71歳でも老衰と判断されるのだろうか」と。高齢者の定義は65歳以上というのは分かるが、71歳で老衰は若すぎるのではないか、との言い分だった。
医者の友人に尋ねると、「加齢に伴い心身ともに機能が低下し、脳や全身の臓器が不可逆的にダメージを受けた状態。癌(がん)や肺炎など明らかな病気がなく、食事も摂(と)ることができなくなり、自然死と医師が診断したとき『老衰』と判断する」。確かに71歳で老衰は若いと感じるが、あり得るようだ。
島根県によると、2020年の県の平均寿命は男性81・6歳、女性87・9歳。同じく健康寿命は男性80・0歳、女性84・7歳となっている。多少の持病はあっても、自立して生活できる年齢が延びていけば老後の生活が充実する。要は元気で暮らしていられるかどうかだろう。
「フレイル」という言葉がある。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことだそうだ。現在の状態が「健康」寄りか「要介護」寄りか。考えてみると、持病はあるし、体力も認知力も落ちた、と落ち込む。
だが「何くそ」と思う。坂道を上がるのさえ苦しい現状。フレイル状態間近なのは否定できないが、何か世間のお役に立つことを楽しく続けていきたい。まずは散歩で体力回復を目指そう。(富)