「だるま作りという日本の伝統工芸を守っていきたい」と話す堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷
「だるま作りという日本の伝統工芸を守っていきたい」と話す堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷
だるま作りに取り組む堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷
だるま作りに取り組む堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷
「だるま作りという日本の伝統工芸を守っていきたい」と話す堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷
だるま作りに取り組む堀江努さん=松江市東出雲町出雲郷

だるま職人
堀江 努さん(松江市東出雲町出雲郷)

 1年を無事に過(す)ごせたり、願い事がかなったりしたときに目を入れる縁起物(えんぎもの)のだるま。松江(まつえ)市東出雲(ひがしいずも)町出雲郷(あだかえ)の自宅(じたく)でだるま作りに取り組む堀江(ほりえ)努(つとむ)さん(36)は、「だるま作りの文化がない島根で、日本の伝統工芸(でんとうこうげい)を守っていきたい」と意気込(いきご)んでいます。

 6畳(じょう)の和室が仕事場。魔(ま)よけとされる一般的(いっぱんてき)な赤色のほかに、色やサイズもさまざまなだるまが並(なら)んでいます。堀江さんは、ボール紙や新聞紙を溶(と)かして作った白い型紙(かたがみ)に筆で丹念(たんねん)に顔や体を描(えが)いていきます。

 だるまは普通(ふつう)、眉毛(まゆげ)が鶴(つる)、ひげには亀(かめ)が描かれますが、堀江さんは神話の国・出雲にちなんで、まゆは龍(りゅう)、ひげに勾玉(まがたま)をデザイン。縁結びをイメージしたリボンマークの「∞」をあしらっただるまも作っています。だるまの大きさは3センチからほぼ3センチ刻(きざ)みで、「最も大きいのは、110センチになります」。

 だるま生産量日本一の群馬県高崎(たかさき)市で大学、サラリーマン生活を経験(けいけん)。だるま職人(しょくにん)と交流する機会もあり、帰郷(ききょう)後に「縁結びとだるまをつなげて、地域(ちいき)を盛(も)り上げたい」と、だるま職人になろうと決意し、再(ふたた)び高崎市で修行(しゅぎょう)しました。

 今は昔ながらのだるまのほか、地元の伝統工芸品「出雲民芸紙」を使った製品(せいひん)や、新型(しんがた)コロナウイルスの感染(かんせん)が広がりだした2020年からは厄(やく)よけで話題の妖怪(ようかい)「アマビエ」を題材にした「アマビエだるま」も作っています。

 だるま作りは景気にも左右されますが、「お客さんが『願いがかなったから』と、手あかまみれで両目が入っただるまを購入(こうにゅう)したお店に返しに来られたと聞くと、うれしいですね」とほほ笑みます。

みなさんへ
 好きなことを見つけて仕事にできる人は、少ないと思います。だから、本当に好きなことが見つかったら、どうやったらなれるのか、本気で考えてみてください。分からない人は、やりたいことが見つかった時のために学校(受験)の勉強をしましょう。勉強で得(え)られた知識(ちしき)が選択肢(せんたくし)を広げる意味でも役に立ちます。