天井の耐震改修を行うプラバホールの大ホール=松江市西津田6丁目
天井の耐震改修を行うプラバホールの大ホール=松江市西津田6丁目

 ホールと図書館の複合施設「松江市総合文化センター」(松江市西津田6丁目)が2022年4月に長期休館に入る。大ホールの天井の耐震性が11年の東日本大震災を受けた改正建築基準法の基準を満たしておらず、市が22年度から大規模改修を実施するため。全館リニューアルオープンは24年春を予定する。

 休館中の代替施設について、市は市有施設などの利用を呼び掛ける予定で、具体的な内容は検討中。図書館部分は23年秋に先行して再開する方針という。

 センターは1986年6月に開館。中四国地方の公共ホールで唯一、パイプオルガンを持つプラバホールと、市立中央図書館があり、鉄筋コンクリート造りの地上2階、地下1階建てで延べ床面積は7600平方メートルとなっている。

 天井の耐震性を巡っては、東日本大震災で体育館や大規模ホールの天井が落下した事故を受け、2014年に改正建築基準法が施行。

 大規模地震で落下の恐れがある高さ6メートル以上、面積200平方メートル以上、質量1平方メートル当たり2キロ以上のつり天井は、新設や大規模改修時に耐震基準に沿った構造にするよう義務付けた。

 プラバホールの大ホールの天井は基準を満たさない上、施設全体の老朽化が進んでおり、図書館の耐震対策、空調更新、トイレの洋式化を含めて改修を決めた。

 改修の総事業費は20億3千万円を見込み、21年度に実施設計で具体的な工法を詰め、23年度にかけて工事する。改修期間中は、入居する喫茶店も休業する。

      (片山大輔)