山陰両県関係の国会議員に地方の将来像や果たすべき役割を問う企画「私の決意」で、11人に対しインタビューをした。国が看板政策に掲げた地方創生は目立った効果が出ないまま、島根、鳥取両県の人口減少が進む中、任期中に力を注ぐテーマを具体的に引き出そうと意識した▼紙面に掲載しきれなかった言葉を紹介する。細田博之衆院議長(島根1区)は「(国から過疎自治体に財政支援が出る)過疎法の指定がずっと続いて、喜んでいるようじゃあつまらん」と人口減への危機感をあらわに。初代地方創生担当相を務めた石破茂衆院議員(鳥取1区)は「やりっ放しの行政、頼り放しの民間、無関心の市民の三つが重なると、地方創生は失敗する。相変わらずそういうところがある」と意識改革を説いた▼多くの議員から東京一極集中の是正が進まない歯がゆさを感じる一方、「政策効果が出るまでには時間がかかる」との声も聞かれた▼地方創生の取り組みは、デジタル田園都市国家構想に引き継がれて2024年で10年を迎える。一朝一夕にはいかない難題とはいえ、地方分散型社会はいつになったら訪れるのか。「時間がかかる」との釈明は要らず、大胆な発想と将来展望が欲しい▼そもそも「田園都市国家構想」の考え方は40年以上前に大平正芳元首相が掲げたが、実現したとは言い難い。歴史は繰り返すのか。国会議員の本気度が問われる。(吏)