中国電力が18日に松江市内で開いた島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の新規制基準適合性審査に関する自治体向け説明会で、原子力規制委員会から再三、主体性に欠けると指摘された中電の姿勢に出席者の苦言が相次いだ。
説明会には島根、鳥取両県と関係6市の担当者計20人が出席。申請から7年4カ月を経て実質的な議論が終了した審査を巡り、島根県防災部の出雲昌浩次長は「安全対策について中電の主体性を求める声がたびたび出ていた。現場の状況を主体的かつ積極的に確認して安全確保に万全を期してほしい」と注文。鳥取県の水中進一原子力安全対策監は「宍道断層の長さが延びるなど、いろいろな事がどんどん変わった。最初からその数字が出なかったのかという意見もある」と疑問を投げ掛けた。
審査会合の状況や規制委に提出した審査申請の「補正書」の概要を報告した説明会は2時間におよび、中電島根原子力本部の長谷川千晃副本部長は「審査は一段落したがアンテナを高くして最新知見を取り入れ、他社との情報交換もしながら肝に銘じて対応していく」と述べた。
終了後、長谷川副本部長は記者団に「時期が来たら地域にもご理解をいただこうと思っている」とし、審査合格後に住民説明会を開く考えを改めて示した。立地自治体並みの安全協定の締結を求める周辺自治体への回答については「今後の大きな課題だという認識は持っている。ただし、具体的にいつ頃までにと申し上げる段階ではない」と明言を避けた。 (平田智士)