絵文字や植物 細部まで丁寧に作る
勝部 旬一郎君(安来・荒島小4年)
安来(やすぎ)市立荒島(あらしま)小学校4年の勝部(かつべ)旬一郎(しゅんいちろう)君(10)は切り絵が上手(じょうず)です。3年生だった2021年秋に始め、みるみるうちに上達しました。アサガオ、ユリ、モミジなど季節の風物の作品は細かいところまで丁寧(ていねい)に作ってあり、校内のほか市内の児童の作品展(てん)や地区の文化祭で展示(てんじ)して「子どもが作ったのか」と驚(おどろ)かれるほどの腕前(うでまえ)です。
試(ため)しにお願いすると、カレンダー用の図案の一つ、フキノトウを10分ほどで作ってくれました。下絵が印刷された紙の上でデザインナイフを巧(たく)みに操(あやつ)り、集中して一気に仕上げます。切りやすいように紙の向きを変えながら進める工夫にも自らたどり着きました。気を遣(つか)うのは「細かいところがちぎれないように切ること」。でも「難(むずか)しくない」と自信をのぞかせます。
21年夏、東京五輪開会式で競技(きょうぎ)50種のピクトグラムを演(えん)じるパフォーマンスをテレビで見て「形が面白い」とピクトグラムに興味(きょうみ)を持ったのが発端(ほったん)です。ピクトグラムを描(えが)いて2学期に学校に持っていったところ、担任(たんにん)の井上(いのうえ)賞子(しょうこ)教諭(きょうゆ)(56)が出来(でき)栄(ば)えに注目し、切り絵を勧(すす)めました。
50種のピクトグラムを作るうちに上達。校内で展示すると、上手すぎて切り絵だと気づいてもらえなかったといいます。「この技能(ぎのう)をこのままにしてはもったいない」と感じた井上教諭の勧めで季節の風物も題材にするようになり、これまでに数百点を作りました。
母の江理子(えりこ)さん(49)は「まさかこういうことができると思わなかった。家では刃物(はもの)は危(あぶ)ないと思ってやらせていなかったと思う」と才能(さいのう)を見いだしてくれた学校に感謝(かんしゃ)します。
季節の風物で、より難易度(なんいど)の高い図案も手がけており、今後はクラゲなど動物も題材にするつもりです。
プロフィル
【好きな教科】 図工
【好きな食べ物】 すし
【趣味(しゅみ)】 音楽を聴(き)いたり歌ったりすること
【好きな曲】 「Habit」(SEKAI NO OWARI)