6次産業化に取り組む養鶏業の旭養鶏舎(大田市波根町)が、洋菓子の製造販売を強化する。生産設備を増強し、ロールケーキやチーズタルトといった新商品を投入。「ヴァーグあさひ」と名付けた統一ブランドを立ち上げ、売り込みを強める。
自社直売所に併設する加工施設にオーブン、ミキサーなど新たな洋菓子用の設備を導入した。同社の看板商品でもあるエゴマ入り飼料で育てた鶏の卵を原材料に、松江市内の洋菓子店の指導や助言を受け、ロールケーキなどの製造を新たに始めた。
ブランド名「ヴァーグ」はフランス語で波を意味し、会社所在地の「波根」にちなむ。
既存商品で人気のプリンもブランド展開に合わせて改良した。設備増強により、これまで外部委託していたシュークリームの皮の製造も自社でできるようになり、ヴァーグの商品ラインアップに追加することも検討する。
直売所や山陰両県のスーパーなどに加え、インターネットでの販売にも注力する。年間約9千万円の加工部門の売上高を、3年後に1割強増の1億500万円に引き上げる計画で、竹下靖洋社長は「新たな商品の展開や改良を進めながら、ブランド化を図りたい」と話している。(錦織拓郎)