世の中にはカタカナ語があふれている。若者言葉だけでなく、お役所も使い放題。意味が分からないと嘆く人も多いだろう▼「リスキリング」もその一つ。社会人が別の仕事に就くため新しい技術や技能を学ぶことを指す。英語のreskill(リスキル=新しい技術を学ぶ)の名詞形で、岡山県倉敷市で先月あった先進7カ国(G7)労働雇用相会合でも産業構造の変化に対応できる人材育成に向けたリスキリングの重要性を確認した▼何とも堅苦しい表現だが、日本語に直せば「学び直し」。するとぐっと身近なものになる▼新聞より小さいタブロイド判で毎週水曜日に発行していた子ども新聞「週刊さんいん学聞(まなぶん)」を、毎週日曜日の本紙内へ移設してから1カ月半を迎える。時事問題の解説記事コーナーを拡充したこともあり、「ニュースがとても分かりやすくなった」「頭の体操にとてもいい」といった感想が届いている。その多くが人生の先輩方から。これも「学び直し」だろう。子ども新聞とはいえ、家族で楽しんでいただければありがたい▼「学び始め」世代の小学生からは「お父さんが新聞を読んでいると学聞が読めない」という苦情も寄せられた。きょうの新聞をよく見てほしい。4ページ続きの学聞はちょうど真ん中の位置にあり、きれいに抜き取って読むことができる。「学び直し」と「学び始め」。両世代に学びの楽しさを届けたい。(健)