「奥出雲おろち号」に乗り、手を振りながらホームを後にする客=雲南市木次町里方、JR木次駅
「奥出雲おろち号」に乗り、手を振りながらホームを後にする客=雲南市木次町里方、JR木次駅

 JR木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の運行終了方針が明らかになって以降、初の運転日の28日、多くの地元住民や鉄道ファンが沿線に訪れた。始発駅の木次駅(雲南市木次町里方)では約30人が乗り込み、2年後の終了計画を残念がりつつ新緑の景色を楽しんだ。

 午前10時ごろ、木次駅2番ホームに青と白で彩られた車両がゆっくりと入ってくると、待ち構えた住民らが次々に撮影。

 乗客は出発を告げる警笛が鳴った後、駅員らに手を振って終点の備後落合駅(広島県庄原市)に向かった。

 この日は晴天に恵まれ、乗客は緑の木々や鳥のさえずりなど、奥出雲の自然を満喫。休日を利用して訪れた岡山県和気町の団体職員、重成寛さん(52)は「鉄道好きなので、今回の知らせは残念。最後まで楽しみながら乗りたい」と話した。

 奥出雲おろち号は定員64人で金、土、日曜日、祝日を中心に運行。今後は29、30両日に走った後、6月は車両の保守作業のため運休し、7月以降の日程は6月上旬に発表する。

 JR西日本は車両の老朽化を理由に23年の運行を最後に終了する方針。(清山遼太)