【江津】島根県西部ゆかりの万葉歌人・柿本人麻呂の顕彰活動に取り組む江津市の住民グループ「麻呂の会」が28日、同市島の星町の高角山公園に、人麻呂の歌を刻んだ石碑を建立した。ゆかりの地としての魅力を高め、全国の万葉ファンにアピールする。
御影石でできた石碑は縦70センチ、横50センチで、人麻呂が妻への愛を表現した万葉集の歌「路の辺の壱師(いちし)の花のいちしろく 人皆知りぬわが恋妻は」を刻んだ。会員が昨年末、歌の中の「壱師の花」とされるヒガンバナの苗を近くに植えており、秋には石碑を囲むように花が咲くという。
高角山公園周辺は1300年ほど前、人麻呂が妻との別れを惜しんで詠んだ「石見相聞歌」の舞台とされ、園内に歌碑や銅像がある。麻呂の会は植樹や清掃活動のほか祭りを企画し、顕彰活動を続けている。
黒川貢会長(82)は「公園に新しい魅力ができた。石碑を眺めながら、人麻呂に思いを巡らせてほしい」と話した。 (福新大雄)