台風7号で豪雨被害を受けた鳥取県が風評被害につながらないようPRに注力している。発生から宿泊予約のキャンセルが相次いだ三朝町の三朝温泉の旅館を含め、宿泊施設が営業していることを特設ページで強調。大手予約サイトを活用した宿泊割引も予定する。
特設ページで18日から温泉の営業を伝えるイメージ画像を公開。鳥取砂丘、三朝温泉、カニなど鳥取を代表する観光地と特産品の写真4枚とともに「安心してください! はいれますよ!!」と訴える。
9月5日から三朝町内での宿泊者向けに千円分のクーポン券配布事業を町などと連携して展開。中旬に大手宿泊予約サイトで宿泊費を割り引く事業を始める。割り引きは閑散期対策の事業だったが、風評被害対策に切り替え割引額を1割増の最大3割引きとする。観光戦略課の内田浩二課長は「にぎわいを取り戻すため元気に営業していることを伝えたい」と力を込めた。
三朝温泉旅館協同組合によると、地域を流れる三徳川の増水で温泉街のシンボル「河原風呂」の脱衣所が流されたほか、加盟する23軒のうち19軒で浸水や露天風呂へ土砂が流入した。台風最接近前日の14日から18日ごろまでに延べ千件以上の予約キャンセルが発生。今も「道路や旅館は大丈夫か」との問い合わせが1日数件あるという。
20日に全旅館で営業を再開したが、中川隼事務局長は予約の動きの鈍さから風評被害を懸念。「実際より被害が大きいとのイメージが広がっている。どの旅館も利用できるので、ぜひ訪れてほしい」と呼びかけた。