「東京五輪の暑さ対策のために路面温度を抑える舗装をしていたけど、あれどうなったの?」。こんな問い合わせが、読者の男性から東京新聞の「ニュースあなた発」に寄せられた。2021年夏に開かれた東京五輪から2年、東京の暑さは衰える気配もない。あの夏の暑さ対策は「レガシー(遺産)」となったのだろうか。(東京新聞・小寺香菜子)
◆7月の猛暑日は過去最多
今年の東京の夏も暑い。都心の猛暑日は8月26日までに21日を数え、年間最多記録を大幅に更新している。35度を超える気温に、日本特有の蒸し暑さ。真夏の東京での五輪開催には、選手や観客の健康への影響から疑念の声は多かった。特に懸念された競技が屋外で長時間行うマラソンだ。
◆せっかく整備したのに…マラソン移転
そこでマラソンの暑さ対策の目玉として、東京都が打ち出したのが、この男性が指摘する「遮熱性舗装」だった。太陽からの赤外線を反射する塗料を道路に吹きかけ、路面に熱がとどまるのを抑える。「路面の温度上昇を最大で9~10度下げる効果がある」という触れ込みだった。

五輪までに、都はマラソンコースをはじめ都道136キロメートルに、国土交通省もコース上の国道5・6キロメートルに舗装を施した。
ところが、...