2024年版の「自虐カレンダー」。11,12月分のキャッチコピーは「人口860万人以上(神様含む)」
2024年版の「自虐カレンダー」。11,12月分のキャッチコピーは「人口860万人以上(神様含む)」

 今年も残り3カ月を切り、少し早いかと思いつつ、来年用の卓上カレンダーを買った。島根県とゆかりの深いアニメ『秘密結社・鷹(たか)の爪』のキャラクターが県の「自虐ネタ」を披露する人気商品だ▼レジを担当した知人いわく「昔に比べて自虐にキレがなくなった気がする」。無理もない。<47番目に有名な県>という知名度の低さを逆手に取ったキャッチコピーで始まったカレンダーも14年目。よくぞここまで自虐ネタが続くものだ、と感心してしまう▼それでも来年11、12月のページを見て、くすっと笑ってしまった。<人口860万人以上(神様含む)>。旧暦の10月は神無月と呼ばれるが、全国から八百万(やおよろず)の神が集まる出雲地方だけは神在月。65万人を割った県人口も、神様を加えれば「大都市」の仲間入りを果たす▼<日本トップクラスのプロバスケチームがあると言っても信じてもらえない>と9、10月のページで紹介されたのが島根スサノオマジック。開幕戦があった松江市総合体育館では、観客席を埋め尽くしたファンが熱い声援を送った。人口は少ないながらも一丸となれる対象がある▼「スポーツの日」のきょうは、全日本、箱根と並ぶ「三大駅伝」の一つとされる出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が開かれる。神々より少し前に学生長距離界を代表する全国の有力ランナーが出雲に集う。人のにぎわいこそ、地域に活気をもたらす。(健)