JR木次線を走るトロッコ列車・奥出雲おろち号の運行終了を前に、JR西日本山陰支社がヘッドマークを新調した。14日は「26年間ありがとう」とのマークが取り付けられた満員の列車が木次駅(雲南市木次町里方)を出発した。 (狩野樹理)
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おろち号は、機関車、客車、窓ガラスのないトロッコ車の3両編成で、1998年に運行を始めた。節目にヘッドマークを取り換えており、26年間走り続けた列車と沿線住民に感謝を伝えたいと新調した。
デザインは、島根デザイン専門学校(島根県奥出雲町横田)の学生が担当。通常運行で使うマークを考案した縁で実現した。
ラストランを記念したマークは、木次線のラインカラーの山吹色でオロチを彩り、背景の青のグラデーションで過ぎ去った日々を表現。卒業や門出を思い起こさせる桜の花を配置した。機関車に直径75センチ、トロッコ車に同50センチのマークが取り付けられた。
14日、木次駅ホームでお披露目されると、鉄道ファンらが撮影した。
デザインを考案した島根デザイン専門学校の藤井さやかさん(19)は「大変光栄。出発する様子を見て感動した」と話した。
10月14日は、1872年に日本で最初の鉄道が開業した「鉄道の日」。木次駅周辺ではこの日、シミュレーターを使った模擬運転やラッピング列車の見学などのイベントが開催された。
おろち号は老朽化により11月23日で運行を終える。