Aランクのバス停に停車したバスを追い越す乗用車=鳥取市布勢
Aランクのバス停に停車したバスを追い越す乗用車=鳥取市布勢
Aランクのバス停に停車したバスを追い越す乗用車=鳥取市布勢

 国土交通省が指摘する「危険なバス停」が、鳥取県ではバス停総数が少ない割に多く、危険度が最も高い「Aランク」の数は都道府県別5位となっている。横断歩道や交差点に近いことが判断基準で、停車時のバスが死角を作り事故につながりやすいとされる。県内の危険なバス停は交通量や客が少ない地域にあるほか、乗降客のため横断歩道が設けられた例もあり、関係者には困惑の色もある。 (報道部・片山皓平)

 Aランクとされた鳥取市布勢の「農協前」バス停は片側1車線の県道沿い。交差点近くで、横断歩道もある。100メートルほど南にある片側2車線の県道、通称・国体道路と比べ交通量は少ないが、バス停車時は車体が横断歩道にかかり、バスを追い越す車と横断歩道を渡る人はバスに遮られて互いに見えにくくなる。

 近くの松保地区公民館の山根尚一館長(69)は「確かに危ない。気を付けないといけない」と話す。

▽危険度A全国5位

 国交省が2019~20年度に調べて今春、公表した危険なバス停は全国で1万195カ所。うち鳥取県内は都道府県別26位の124カ所を占める。Aランクに限ると5位の68カ所という多さだ。バス停総数は3736カ所で全国下位とみられるのに、なぜなのか。

 県内でAランクのバス停は郊外や山間部にあり、道路が狭い例が多い。鳥取運輸支局や地元バス事業者によると、乗降スペースが取れる交差点付近に場所が限られ、後に横断歩道ができた例もあるとみられる。指導が厳格でなかった昭和初期に設けたバス停も多い。

 同運輸支局の久保博嗣首席運輸企画専門官は「交通量が少なく、客がいないバス停も多い。一律に対策を求められても解決は難しい」と指摘。県バス協会の橋本孝之専務理事は「バス停近くに横断歩道がないのも危険。不便がないようにしつつ、安全性が保てる改善が必要」と困惑しながらも思慮を巡らす。

▽車内でアナウンス

 危険なバス停解消策には移設があるが、待合所が併設されていたり、移設先がなかったりと容易でない。

 鳥取県内でバスを運行する日本交通(鳥取市雲山)は以前から、横断歩道があるバス停に止まる際に「バスの直前直後の横断は危険ですので、絶対やめましょう」とアナウンスを流す。日ノ丸自動車(同市古海)も導入する考えだ。

 運用で解消する方法もある。島根県内のバス事業者は以前から、横断歩道や交差点に近いバス停では横断歩道や交差点から離れて停車するよう工夫していた。

 島根運輸支局によると、県内の調査では、このように運用を工夫したバス停は横断歩道などに近くても危険とみなさなかったりランクを下げたりした。結果、県内の危険なバス停は都道府県別45位の19カ所、うちAランクはゼロとなった。

 設置場所が限られるなどの地域事情やそばの道路を渡る人のために横断歩道を設けた判断は理解できる。とはいえ、事故の危険を伴うのも事実で、対策は必要だ。島根のように運用で解消するのが、現実的で即応できる対策ではないか。

 

◆危険なバス停 2018年に横浜市でバス停車中のバス停そばの横断歩道を渡った小学生が車にはねられて亡くなった事故を受け、事故防止策を考えるため国土交通省が調べた。危険度で3段階に分け、Aランク=停車したバスの車体が横断歩道にかかるか、過去3年以内に停車したバスが原因で人身事故が発生▽Bランク=停車したバスの車体が交差点にかかるか、横断歩道の前後5メートル以内▽Cランク=交差点の前後5メートル以内|としている。