第73期王将戦7番勝負第3局の2日目は午前中が終わり、これから大詰めを迎える。両対局者の最後の勝負メシ(昼食)は、藤井聡太王将(21)がしまね和牛の「かつべ牛ステーキ重」、菅井竜也八段(31)が三瓶産コシヒカリの「わさび飯」だった。


対局会場の大田市のご当地グルメに「三瓶そば」がある。藤井王将が初日に食べた「大あなご天そば」と、今回の菅井八段のわさび飯にも添えられている。そばの実が小さく、厚い外皮ごとひくため、麺の色が黒っぽい。白くて細長い江戸のそばとは対照的。こちらでは、そばは江戸のように飲むように食するのではなく、よくかんで外皮の風味も楽しむものだ。

午後の対局が始まった。菅井八段には金を上がって、自陣の美濃囲いを強化するとともに、相手の馬を追い払う手があった。それが自然な一手に見えたが、指したのは別の手だった。藤井王将が長考している。味わいや奥の深い手なのだろうか。