


テンポ速く勇壮な舞にひかれ
宮能 煌大君、大誠君 (松江・内中原小5年)
日本遺産(いさん)に認定(にんてい)される島根県西部の伝統芸能(でんとうげいのう)「石見(いわみ)神楽(かぐら)」。テンポの速い勇壮(ゆうそう)な舞(まい)にひかれ、県東部の松江(まつえ)市で習得(しゅうとく)に打ち込(こ)む双子(ふたご)の兄弟がいます。市立内中原(うちなかはら)小学校5年生で、石見神楽同好会松江真舞会(しんぶかい)子ども部会の宮能(みやの)煌大(こうだい)君(10)と弟の大誠(たいせい)君(10)。2人は「石見神楽の面白さを一人でも多くの人に知ってほしい」と、上達に意欲(いよく)を燃(も)やしています。
神楽は県東部にも出雲(いずも)神楽がありますが、石見神楽は躍動的(やくどうてき)なリズムとダイナミックで華麗(かれい)な舞(まい)、豪華(ごうか)な衣装(いしょう)と煙幕(えんまく)も使う派手(はで)な演出(えんしゅつ)で見せるのが特徴(とくちょう)です。
2人が石見神楽を初めて見たのは、3歳(さい)の時。父親幹典(もとのり)さん(37)の実家がある県西部、大田(おおだ)市温泉津(ゆのつ)町内の神社の遷宮(せんぐう)を祝(いわ)って奉納(ほうのう)された神楽でした。その後、県西部出身の県職員(しょくいん)を中心に結成された松江真舞会があるのを知り、入会しました。
毎週金曜日午後7時から内中原(うちなかばら)町の同小学校である稽古(けいこ)では、舞のほか、横笛(よこぶえ)や「手拍子(てびょうし)」と呼(よ)ばれる手のひら大の打楽器に小太鼓(こだいこ)、大太鼓のはやしも習います。家でも、その日に何をするか話し合って決め、神楽のDVDも見るなどして練習しています。
今、子ども部会が七つ目のレパートリーにしようとしている演目(えんもく)「大江山(おおえやま)」では、煌大君が鬼(おに)の首領(しゅりょう)「酒呑童子(しゅてんどうじ)」、大誠君はそれを退治(たいじ)する武将(ぶしょう)「源頼光(みなもとのらいこう)」役に。2人は対決場面での太刀(たち)さばきのタイミングを相談しながら演じています。
指導(しどう)する松江真舞会の斎藤吏(さいとうつかさ)代表(37)は「2人はチャレンジ精神旺盛(せいしんおうせい)で、うまくなろうという気持ちがある。いつも他のメンバーを引っ張(ぱ)っている存在(そんざい)」と話します。
新型(しんがた)コロナウイルス禍(か)で、今年前半は公演の機会がありませんでしたが、8月以降(いこう)はいくつか予定が入り、稽古にも力が入ります。2人は「大人になっても神楽を続けていきたい」と張り切っています。
プロフィル
【好きな教科】
体育(煌大君、大誠君)
【好きな食べ物】
イチゴ(煌大君)
スイカ(大誠君)
【将来(しょうらい)の夢(ゆめ)】
石見神楽の面職人(煌大君)
プロ野球選手 (大誠君)