ノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎の流行を受け、島根県感染症対策室は8日、手洗いの徹底など感染防止対策を改めて呼びかけた。浜田、出雲両保健所管内で警報レベルを超え、恵方巻きなどによる集団食中毒が起きた益田市内を含め、警戒が必要な状況となっている。

 感染性胃腸炎の患者の報告数は1定点医療機関当たり、1月15~21日が「12・52人」、22~28日「12・09人」、29~2月4日「11・78人」と3週連続で食中毒注意報の基準となる10人を超えた。県は恵方巻きなどを食べた176人(7日時点)による益田市の集団食中毒を受け、注意喚起した。

 特に多いのが浜田保健所管内(定点医療機関3)。1月29日~2月4日の間に82人が症状を訴え、1定点当たり「27・33人」となっている。出雲保健所管内(定点医療機関5)は患者数102人で「20・40人」だった。食中毒警報基準の16人を大きく上回っている。

 益田保健所管内(定点医療機関3)は同時期に「10・67人」だった。集団食中毒の患者は全て反映されていない。

 ノロウイルスは汚れた手などを介して人から人にうつり、アルコール消毒の効果が乏しい。田原研司室長は、学校や会社のトイレがリスクの高い場所とし、排便後や調理前、食前の手洗いが重要と強調。「症状がなくなっても長い人は1カ月程度、ウイルスの排せつが続くことがある。高齢者は嘔吐(おうと)物が気管に入る誤嚥(ごえん)による肺炎に注意してほしい」と話した。(曽田元気)