奥出雲おろち号
奥出雲おろち号

 JR西日本が木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」の運行終了を発表したことを受け、島根、広島両県などが、観光列車の存続の可能性を議論する検討会を7月に立ち上げる。JR西と、現行車両や後継車両による運行継続の可否を話し合う。

 24日の島根県議会の総務、農林水産商工両委員会で県が明らかにした。「木次線観光列車運行検討会」(仮称)で両県のほか、両県の沿線5市町、JR西米子支社で構成。島根県が事務局を務め、調整役を担う。

 おろち号を巡ってはJR西が車両の老朽化が激しく、安全な運行を続けられないと判断。2023年度で運行を終えると発表した。

 検討会では今月7日に県などがJR西に要望した、現行車両の運行継続の再検討に加え、中古車両の改造や新造による後継車両の導入の可否を議論する。

 木次線とつながる芸備線の在り方をJR西が岡山、広島両県の沿線自治体と協議を始めることになり、木次線への影響が懸念される中、沿線の観光振興についても話し合う。総務委員会では複数の県議が、18年3月末のJR三江線廃線までの対応で、当時の溝口善兵衛知事が沿線市町とJR西との間で「中立」の立場を貫いた過去に言及。

 今回は県に主導的役割を果たすよう求めたのに対し、藤井洋一地域振興部長は「(丸山達也)知事自身、非常に危機意識を持っている。県が引っ張り、リーダーシップをとって沿線市町とやっていく」と述べた。

      (曽田元気)