医師の高齢化や後継者不足で島根県内の診療所が減少する中、空白をカバーする基幹病院の役割が増している。空いた診療所に一通りの診療ができる「総合診療医」を派遣し、初期診療のサービス低下を防いでいる。ローテーションを組んで診療所に医師を派遣する島根県飯南町の町立飯南病院の取り組みなどから、現状と課題を探った。 

 「血糖値が上がってますので、少し食事の量を減らしましょう」

 国道54号沿いにある町立来島診療所に巡回した飯南病院の医師が、治療方針や助言を行う。

 診療所には週4回、4人の医師が交代で勤務し、発熱といった疾患や、捻挫などのけがの初期対応に当たる。症状が重い場合は約8キロ離れた飯南病院につなげる。...