
ー ガス業界も脱炭素の取り組みが求められています。
原料の天然ガスはクリーンエネルギーで環境の優等生とされてきました。燃焼時に二酸化炭素(CO2)などの発生量が少ないとはいえ、化石燃料を使う点で脱炭素は避けて通れない課題となっています。
2024年度は、国の認証制度でCO2排出量を相殺できる「J―クレジット」の取引市場に参加し、クレジットの購入を計画しています。できれば地産地消で地元から買いたいと考えています。

ー 災害時の事業継続計画(BCP)を策定されました。
脱炭素とともに災害対策は注力します。津波も想定した備えを万全にする必要があると能登半島地震で改めて認識させられました。
また今回の地震も避難所でプロパンガスが給湯や煮炊き、暖房などのエネルギー源として活躍しました。ガスは地域の災害対策に大きく貢献できます。
ー 人口減少で縮小する市場にどう立ち向かいますか。
プロパンガスを40キロ圏内まで配送できる認可を取得し、営業エリアを浜田市外に広げました。
ガス以外では電気や宅配水、太陽光買い取りの事業に取り組んでいます。ガスを使わないオール電化の顧客とどうつながるかもテーマです。
例えばエコキュートが故障した場合、水回りに強いグループ会社が応急処置し、機器交換までの期間、ガス給湯器を使ってもらうこともできます。
困ったときの第1選択肢になりたいですね。

ー デジタル化の取り組みをどう進めているますか。
1年前に立ち上げた「DXセールスマーケティング推進室」を改編し、4月に「経営企画グループ」を新設しました。
個々の能力やスキルに頼る営業を改めようと、各種媒体を使った顧客アプローチを検討し、会員制のウェブサービスを始めました。ガス料金の支払いでポイントがたまり、サイトで毎月の料金や使用量を確認できるようにし、会員数は900人に増えています。
生成AIの活用など営業のデジタル化を推進し、稼ぐ力を高めます。

問題解決能力を持った人材を求めています。
問題解決能力を高めるには、いろいろな事を悩んで、解決してきた経験が役に立つと思います。乗り越えてきた壁が多ければ多いほど、人間強くなる。自分が乗り越えた壁は、自分を守る壁になります。
学生のうちに、いろいろな人に接して、いろいろな経験をしてほしいと思います。

櫨山 太介=千葉県松戸市出身(44歳)29歳の時に浜田市にIターンし、2020年3月から現職。
趣味は、ジムで筋トレすることです。週3回、朝6時前から1時間ほど汗を流します。休日は、娘二人と遊ぶ時間を大切にしています。子どもの好きな遊具のある公園をはじめ、島根の良いところに連れて行こうと思っています。
浜田ガスHP