DIY(日曜大工)やAI(人工知能)などアルファベットが並ぶ言葉は、略される前の単語に戻してからのみ込む。アルファベットはまだ「復元」ができるが、丸覚えするしかないカタカナ語はもっと困る。日本語にすると、逆に難しい、そんな言葉の一つが「フレイル」だった▼日本老年医学会が2014年に提唱した概念で「虚弱」と訳す。「健康」と「要介護状態」の間、身体的機能、認知機能の低下がみられるこの時期の過ごし方が「健康長寿」の鍵-。少し調べ、できるだけやさしく説明を考えてみたが、われながら固い▼夫婦漫才コンビ「宮川大助・花子」を迎え、先月、米子市で開かれたフレイル予防を考えるイベントで、そんな言葉との距離が少し縮んだ▼闘病、介護体験を笑いに包む2人の話術に負けじと、講師の医師らも明快に解説。「しっかり動いて、しっかり人と付き合って、しっかり食べる」。予防のポイントを一言で言えば、こうなる▼孤食やメニューの偏りが要因になる低栄養について、サッカーJ1横浜F・マリノスの栄養アドバイザーを務める新生暁子さんは講演で「好きな物をどんどん食べて」と呼びかけ、バランスの良い食事の目安を「1食で5色以上の『色』」と推奨した。運動も人との付き合いも、キーワードを挙げれば「楽しむ」か。50代を迎えて、まだまだ大丈夫のつもりでも、できることから備えておこう。(吉)
【動画】宮川大助・花子さんがフレイル予防へ「ネギトレ」、「フレ飯」に太鼓判 米子市でイベント