国譲り神話にちなんだ「青柴垣(あおふしがき)神事」が7日、松江市美保関町美保関の美保神社と美保関港であった。新型コロナウイルス禍以降に省略していた儀式や配役を一部復活。春の日差しがきらめく海上で、厳かに執り行われた神事を住民や観光客が見守った。
美保神社の祭神コトシロヌシが、父神のオオクニヌシに国譲りを進言した後、船を青い柴垣に変えて海中に隠れたという国譲り神話に由来する神事。
今年は男子小学生の偏木(ささら)たちが町中を練り歩き、祭始めのお触れを告げる儀式などを復活させた。5年ぶりに児童4人の元気なかけ声が町中にこだました。
御船には前日から美保神社にこもり、断食して臨んだ主役の当屋2人と氏子らが列をなして乗船。赤や緑の色とりどりなのぼり旗やサカキで飾られた御船の航行は見送られたが、楽器を手にした氏子が乗った小舟が巡り、港にしめやかな笛と和太鼓の音色が響きわたった。
美保関町出身で千葉県柏市から帰省したという主婦の吉岡優子さん(57)は「小さい頃に見た祭りが、コロナ禍でも途切れず続いているのは感慨深い。ずっと続けてほしい」とほほ笑んだ。
(堀尾珠里花)













