与野党一騎打ちの構図となった衆院島根1区補選が16日に告示された。山積する課題に対し、自民、立民の候補者はどのような考えを持っているのか。アンケートの回答を9回にわたって紹介する。(500字以内で回答してもらった)

<Q1・収支の透明性>
(1)裏金事件の再発防止に向け、パーティー券購入者の公開基準を政治家個人への寄付と同様に5万円まで引き下げる必要があると思うか
(2)裏金問題の再発防止に向け、企業・団体献金を禁止する必要があると考えるか
(3)政治資金の透明性向上を図るため、使途の公開が不要な政策活動費を廃止する必要があると考えるか
(〇必要 ×不必要 △どちらとも言えない)。回答の理由は何か(上から届け出順)

 

▼錦織 功政氏(自民、新)

 政治資金規正法の名称が、「規制法」ではなく、「規正法」となっている通り、収入と支出の在り方を正すため、透明性を高め、違法な処理に対して厳しい姿勢で臨む。

 透明性向上の具体策として、収支報告書のデジタル化など国民がチェックしやすい環境を整えるとともに、献金やパーティー券の購入を銀行振り込みに一本化することや監査の徹底などを進める。

 厳格化も、仮に政治家本人が不適切な処理に直接関わっていなくても、管理責任が問われるなどの場合には処罰の対象とする必要があると考えている。

 なお、パーティー券と献金の基準が異なるのは、パーティー券が対価性を有するものであり、開催に向けた準備にも経費を要するなどの事情を踏まえたものであると理解している。また、企業・団体の政治活動の自由は最高裁判決においても認められており、献金はこの範疇(はんちゅう)に含まれるものと受け止めている。

 民主主義のコストを社会全体でどのように賄うか、政策活動費のみならず、旧文通費や政党交付金などの透明性をいかに高めるかについては、各党共通の課題であり、真摯(しんし)に議論して、国民の信頼回復に努めていく所存だ。

 

▼亀井亜紀子氏(立民、元)

 パーティー券を誰にいくら売ったかの確認・突き合わせも難しく、20万円まで企業名が公表されないなど公開性も低いという問題がある。本来のパーティーの対価という目的が薄れ事実上の企業・団体献金になっており、寄付金規制の迂回(うかい)路となってきた実態が明らかとなった。

 政治資金パーティーそのものに関して国民の疑念が高まっており、政治資金パーティーは企業・団体のみならず、個人購入も含め全面禁止とし、個人献金を促進するため、個人の政治活動に関する寄付への税額控除拡充を進めるべきだ。

 多額の企業・団体献金が腐敗や癒着構造の温床となってきたと指摘されている。特定の企業・団体によって政治・政策決定がゆがめられることのないようにすべきだ。国民のための政策を実行するためにも立憲民主党は2022年6月に企業・団体献金禁止法案を衆院に提出している。

 政治資金規正法は、政党から政治家への寄付を例外的に認めており、「政策活動費」などの名目で政党幹部らに支出されているが、使途の報告義務はなく、表に出ないカネになってしまう。使途不明な「政策活動費」など、政党幹部への多額の「渡しきり」を禁止する。