島根1区候補者の選挙事務所関係者(右)を激励する立憲民主党の小沢一郎衆院議員=19日午後、松江市
島根1区候補者の選挙事務所関係者(右)を激励する立憲民主党の小沢一郎衆院議員=19日午後、松江市

 きのうに続き昭和の話から。昭和天皇の誕生日で、死去後は「みどりの日」だった4月29日を「昭和の日」に改正する過程は紆余(うよ)曲折があった。

 2000年3月、自民、自由、公明の与党3党が改正案を提出。参院は通過したものの、当時の森喜朗首相の「神の国発言」の余波を受け「復古調だ」との批判が拡大した。衆院での採決は見送られ、その後の衆院解散で廃案になった。

 02年にも提出したが、今度は有事関連法案などの審議が優先される中で衆院解散を迎え、再び廃案の憂き目に。ようやく05年に可決、成立し、施行されたのが07年。まさに「三度目の正直」だった。

 同じ回数でも、松江市に選挙応援に駆け付けた立憲民主党の重鎮・小沢一郎衆院議員が口にした「3度目の政権交代」に向けた足掛かりになるのだろうか。きのう投開票された衆院島根1区補選は立民元職の亀井亜紀子氏が自民新人の錦織功政氏を破り、選挙区で初の当選を飾った。「保守王国・島根」に風穴をあけた歴史的な勝利ではあるが、森氏も会長を務めた自民党安倍派を中心とした政治資金パーティー裏金事件による政治不信が要因。自民の失点による「棚ぼた」でもある。

 苦境には違いないが、かつて政敵・社会党と連立を組んでまで政権奪還を果たした経験を持つ自民。数々の障害を乗り越えて「昭和の日」改正にこぎ着けた〝二枚腰〟を、今度はどう発揮するのか。(健)