<小児科の 予約画面で オトナブルー>。働きながら子育てする父母や家族をテーマに、オリックスが募集している今年の「働くパパママ川柳」の大賞作品である▼体調不良を起こした子どもを病院に連れて行こうにも予約が取れず途方に暮れる心情を、4人組ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」の人気曲のタイトルを交えて表現している。同じように「ブルー」な気持ちになった経験を持つ「オトナ」も多いのでは▼入賞作品からは現代の世相が見て取れる。<寝る前の 怪談「あした、おべんとう」>。最近は小学校からの連絡も通信アプリが主流に。つい見逃して、就寝前に子どもから「あすのお弁当の準備できた?」と聞かれ、ぞっとしたという体験談。まさに怪談だ▼<働けど オムツに消える 物価高>。毎月のように紙オムツなど生活必需品の値上げが止まらない。物価高騰に対応する定額減税が来月始まるとはいえ、すぐには効果を実感できまい。「それに比べて政治家は…」。販売ノルマを超えた分の還流(キックバック)を受けながら報告書に記載せず、納税もしない。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件への愚痴が口をつく人も多いだろう▼そんな「政治とカネ」の問題を風刺したのが<家事育児 キックバックは 子の笑顔>。家事や育児が忙しくても、金銭には代えられない子どもの笑顔が一番の見返りか。(健)