中国地方最高峰・大山(標高1729メートル)が夏山開きされた。大山隠岐国立公園内の三徳山を含めて大山プロガイド協会に様子をリポートしてもらう。










◆撮影メモ◆(2024年6月8日)
午前8時の大山寺の天候 晴れ 気温17℃ 微風
午前11時の山頂の天候 晴れ 気温18℃ 微風
※ただし日向温度は27℃
◆リポート◆
二十四節気では「芒種」(ぼうしゅ)で、田植えの時期という意味です。田んぼに水を張り、雨が降る中で田植えをする場面が思い浮かびますが、今年は梅雨入りがやや遅めのようで、5月の登山日和が続いています。
5月と違うのは、空気感が湿気が増えてきて、注意が必要なのは南からの風か北からの風かです。特に南からの風の場合は太平洋の湿気を含んでいますので、自分で思う以上に体内の水分が汗になって出ていきます。
女性の場合は登山中は水分摂取が控え目になりますが、これからの時期は気を付けないと熱中症の恐れが出てきます。また水分不足は足がツル原因にもなります。のどが渇きそうな時に一気に飲むのではなく、少しづつ何回にも分けて飲んでください。ちょうど点滴をする時のような飲み方です。当然下山時にも水分接種は必要で、これを意識しないと翌日以降にその影響が残ります。
他の注意点は天候の急変です。これからの時期は積乱雲の発生が増えてきますが、これに伴って雷の可能性も出てきます。また北風の吹く場合は予想以上に気温低下があるので、晴れていても雨具は必ず持参してください。
みなさんもまだ記憶にあると思いますが、トムラウシの遭難事故は7月でした。低体温症で多数の方が亡くなりました。大山は独立峰で大陸からの影響をダイレクトに受けるので注意が必要です。
近来、全国的に注目を浴びているのが同じ大山隠岐国立公園に含まれる三徳山です。ここは入山する条件が非常に厳しく、単独では入山できません。また雨が降っても同様に入山禁止です。滑りやすい土壌、岩場の通過、クサリ場、正確に3点確保が出来ないと登れない場所があります。
つまり登山の基本が出来ていないと登るのが難しい山です。山岳信仰の山ですので、日本各地の山のように山頂を制覇する登山ではなく、日本古来の伝統的な登山の形を残している貴重な山です。他の山と違うのは、登って下りるだけならば、ここの魅力がわからないことです。
私たち登山ガイドが歴史解説をしながら、また登山の基本を話しながら登りますので登山を学びたい方はぜひおいで下さい。詳細は三徳山三佛寺(みとくさんさんぶつじ)までお電話ください。電話 0858-43-2666
もちろんガイドへ直接でも構いません。